昨年1月の能登半島地震によって、地理的孤立やインフラ・ライフラインの寸断など、三方を海に囲まれる半島地域特有の災害対応への「脆弱性」が浮き彫りになった。これを踏まえ国は、公明党の後押しもあって今年3月に半島振興法を改正。7月には、「半島防災」の推進を柱とする半島振興基本方針を策定した。半島地域の防災力向上に向け、半島を抱える道府県では順次、同方針に基づき、半島振興計画の見直し作業が進められている。
■道路、水道インフラ強化など柱に
同方針は、半島独自の課題を克服し、自立的な地域社会を実現することが狙いで、振興の柱に「半島防災」を位置付けたのが特徴だ。
具体的には、同法で「対策実施地域」に指定されている23の半島地域(22道府県194市町村)に対し、半島振興計画の策定を通じて道路や水道といったインフラの強化や災害応急対策の推進など実効的な施策の実施に努めるよう求めている【表参照】。国は財政支援などを通じ政策を後押しする。
「南海トラフ巨大地震が懸念される中、半島防災の強化は喫緊の課題だ」。こう話すのは、紀伊半島を抱える三重県防災対策部の担当者だ。
同県は能登半島地震が発生した際、延べ1800人の県や市町の職員らを被災地に派遣。県内でも孤立する可能性がある集落への対策や迅速な津波避難の見直しの必要性など、支援活動を通じて得られた課題を踏まえ、ハード・ソフトの両面で具体策を検討している。
また広域連携の観点から、紀伊半島を抱える和歌山、奈良両県との協議も踏まえ、同計画の見直しを進めていくという。
一方、石川県は計画の策定について「検討中」(県担当者)とした上で、今月公表した、能登半島地震の発災後おおむね3カ月間における県の初動対応に関する課題を精査し、「1・5次避難」の充実など今後の防災対策に生かしていく方針だ。
公明党はこれまで半島防災強化を強力に推進。昨年には、党半島振興対策プロジェクトチームが、中野洋昌国交相(公明党)などに対し、防災強化の視点を踏まえた半島地域の振興対策に関する提言を行っていた。
■議会質問通じてリード/党復興・防災部会長 中川宏昌衆院議員
防災力の強化は人々の安全・安心だけでなく、地域産業の発展や移住・定住の促進など、半島振興を進める基盤となる。基本方針の柱に半島防災が位置付けられた意義は大きい。
その上で、各地で半島振興計画の見直しを積極的に進めるため、公明党は国による支援の実行を政府に働き掛けるとともに、現場の課題をくみ取り、議会質問などを通じ、計画見直しをリードする役割を果たしたい。
国と地方のネットワークの力を生かし、半島独自の防災モデルを築き上げていく。